みずほ銀行オンライン・システム障害について 〜 注30

公開: 2021年11月27日

更新: 2021年11月30日

注30.

2000年代に入って、日本の情報産業の国際競争力増強を考えた通商産業省(現経済産業省)は、文部省(現文部科学省)へ働きかけ、日本社会における技術系人材育成の国際競争力強化のため、国際標準であるワシントン条約に即したアクレディテーション評価を大学教育に導入する方針を決定し、そのために、関係各学会に協力を依頼し、大学の工学系教育の評価法の検討を開始した。情報技術系分野では、情報処理学会にその委託がなされた。

数年間の委員会による調査研究によって、大学における情報系教育プログラムの審査方法などが検討され、福島県の会津大学において、その実証が実施された。続いて、新設されたばかりの静岡大学の情報学部においても、審査が行われた。これらの審査では、他大学の教員と、実業界の専門家からなる審査チームが審査を担当した。

実際に審査対象となった大学やその学部学科における事務作業量の負荷は大きく、審査のために必要な書類などの準備、現場での審査実施時の対応、講義や実験等を担当する教員などへの負荷も大きかった。しかし、そのようにして審査を通っても、その審査に関する情報を利用する側の企業の人事担当者には、新しい制度に馴染みがなく、アクレディテーション結果の情報は、卒業生の採用に有効利用されることはなかった。

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